ソーシャルマーケティング
ソーシャルマーケティングとは、コトラー(フィリップコトラー)によって提唱されたマーケティング理論のことで、企業と社会とのかかわりを考えながら行われるマーケティング手法のことを意味します。社会と企業がかかわりをもつという考えは「企業の社会的責任(=CSR)」とも言われ、企業が社会の構成員の一人として、社会へ配慮しながら会社の存続を目指していくという理念を言います。
コトラーという人物は現代マーケティング学界では、第一人者と言われるほどの大物学者です。コトラーはシカゴ大学で修士号を、マサチューセッツ工科大学で博士号を取得しています。また、STP理論・7P理論など、さまざまな有名理論を提唱した人物でもあります。
ソーシャルマーケティングの起因事例として有名なのは、1960年代にアメリカで起こった「コンシューマリズム」の高まりです。当時のアメリカでは、「モノを売ってしまえば、後は知らない」といった姿勢で顧客に商品やサービスを買わせることを最優先させている企業が多く、大企業ともなればかなりの強引な商売戦略を行っていました。このような企業志向のかなり強引な販売・プロモーション手法などがまかり通っていましたが、そのような企業および商品やサービスは、ともすれば消費者の不利益を引き起こすため、消費者や社会の支持を得られるわけもなく、消費者の不満も表面化しました。すなわち、大企業をはじめとした全米企業の消費者に対する配慮のなさ・短期的な経営利益ばかりを追い求めている姿勢が、「コンシューマリズム(消費者運動)」を引き起こすことになったというわけです。このような「コンシューマリズム」の一連の動きに対する企業側の反省から、顧客志向・消費者目線の経営戦略が重要しされるようになりました。
コトラーはソーシャルマーケティングという新しい経営理論を、このような企業の新しい経営戦略にあてはめ、その後、現代経営学にとって重要な理論として提唱されることになったとされています。このような理論誕生の事例を踏まえてみると、ソーシャルマーケティングという手法は、本当の意味で消費者の心を考えるに当たっては必要不可欠なマーケティングと言えます。また、政策課題など、社会の諸問題の解決においてもソーシャルマーケティングを戦略的に行っていく事が求められます。
ソーシャルマーケティングという経営戦略の手法はコトラーの系譜を引き継ぎながらも、発展させるために今後ますます研究を重ねていく必要性が非常に高いであろう現代の経営学理論と言えるでしょう。
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